私たちBLUE PRINTのデザインチームには、住宅を手掛けるうえで大切にしているデザイン上の思想がいくつかあります。その1つが、この「住宅デザインメソッド」シリーズの第1回でテーマにした「快適な日陰をつくること」です。
今回は、「空間構成上の開放と意識上の解放」について取り上げたいと思います。
まず「開放」とは、読んで字のごとく「開け放つ」ことで、住宅ではプランニング(設計者はよく「空間構成」という表現をしますが)と関係が深いと言えます。
例えば、すごく良い景色が広がる敷地に住宅を計画する際に、開放感のあるリビングを実現するために、大きなサッシ(大開口)を設置したい!といった建築主のオーダーがあったりします。
一方で、「解放」は、どうでしょうか?!
こちらは「解き放つ」ことで、意識や精神について何らかの制約(拘束)された状態から、自由な状態にすることを意味すると言えます。
例えば住宅での暮らしのなかでは、ちょっとした小窓から見える外の景色や階段を上り下りする際に感じる外の気配や季節感などです。
このように考えると、意識が解放されている状態は窓(開口部)のサイズといった物理的なものには影響を受けにくいと言えます。
そもそも、 私たちの暮らしは、雨風から身を守る「安全で安心できる状態」を確保し、その上で風通しが良かったり適度な日陰と日差しが確保できるといった「出来るだけ快適な状態」を目指し、さらにはお気に入りの素材や感情移入できる情景や光景とともに暮らしたいという「文化的な価値観」で成り立っていると言えます。
このように考えていくと、「安全・安心」「快適」という状態は当然クリアしたうえで、それぞれのご家族の「価値観」に寄り添 った具体案を提示し、一緒になって家づくりを進めていくことこそ、私たちBLUE PRINTのデザインチームが目指している「家づくり像」だと改めて感じます。
それゆえに、「○○さんテラスに出たら、パノラマの景色が見えるんだから、室内からは敢えて景色のいいとこだけを切り取りましょうよ」だとか、「手すりをマットブラックにすることで、意識がその先へ向かうことになって、山並みと空とのスカイラインがより鮮明に見えますよ」、あるいは「軒天井を敢えてブルーグレーにしてシアター効果を楽しんでみては?!」などといった、建築主からしたら?!マークなご提案もあったことと思います。
まずは、家づくりのプロセスも含めて、せっかくだから楽しいチーム編成で家づくりに臨んでいきたいものですね!
今年も多くの建築主さんと出会えたことに感謝すると同時に、BLUE PRINTにしか出来ないチーム編成で家づくりのクオリティーを高める努力を継続していきます。
それでは、皆様よい年をお迎えください!
▼BLUE PRINTの住宅デザインメソッドシリーズはこちらから!(https://www.blueprint.nagasaki.jp/blog-1/categories/%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%A1%E3%82%BD%E3%83%83%E3%83%89)
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